小寒
-
しょうかん
小寒は寒の始まり。ここから立春までを寒中と呼びます。年賀状に間に合わなければ寒中見舞い、柔道や剣道を稽古する人は寒稽古です。また寒中の水に餅をつけると腐らない、寒中に作った糊は寒糊といって接着力が強く、寒中に生まれた鶏卵は寒卵と呼ばれ栄養が豊富で、寒中に作った口紅は寒紅と呼ばれ発色がよいとされています。ちょっと寒に期待しすぎですね。
- 寒紅の濃き唇を開かざり
- 富安風生
雉始雊
-
きじはじめてなく
雉が鳴き始める。日本の国鳥である雉は、射殺される使者役で古事記に登場するほか十二支で猿と犬に鳥が挟まれている理由から桃太郎のお供で鬼退治までします。繁殖期は初春からその鳴き声を愛でられるけれど、一月の時季に鳴くのがクローズアップされるのは食べられるから。雉あわれ。正月に宮中へ参賀した人には雉子酒という雉子肉を入れた熱燗がふるまわれるほど雉はごちそうでした。
- 雉鳴くとトタンの板が出てをりぬ
- 鴇田智哉