雨水
-
うすい
あたたかくなり雪は雨に、雪や氷は水となります。雪氷は雨水に、土は濡れてぐちゃぐちゃに。雛人形を出したり農耕の準備をはじめたりするころです。この時季から強い日本海低気圧を一因として春一番が吹きます。春一番は漁民の言葉から気象用語になった言葉で春二番や春三番があることもあり、「春二番三番四番五番馬鹿/三橋敏雄」という俳句も。まだ風は冷たいけれど、もうすぐあたたかくなります。
- 遊ぶことばかりかんがへ春の泥
- 田中裕明
霞始靆
-
かすみはじめてたなびく
霞がたなびく。「さくらさくら」の歌詞に「やよいの空は見わたす限りかすみか雲か匂いぞ出ずる」とあるように霞は春の季語です。霞は気象用語ではなく厳密には霞は霧で、季節的な感覚で春は霞、秋は霧と分けられています。また春の夜の霧は霞ではなく朧と呼びます。いろいろ呼び方があるのは面倒なようですが、それぞれに違う名前があるのだと知ると春の受けとめかたも変わるかも。
- 通る人皆顔なでる霞かな
- 桜井梅室