立春
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りっしゅん
春になること。日脚が伸び、梅が咲き始めます。立春は雑節という日本独自の農事暦の起算日であり、八十八夜や二百十日はこの立春から数えています。禅寺などでは門に立春大吉と墨書した紙を貼り、その文字は線対称で吉祥。言葉のうえでは春でも、まだまだ寒いです。本来は冬の言葉ですけれど、三寒四温といわれるように一進一退の日々です。
- 立春の米こぼれをり葛西橋
- 石田波郷
黄鶯睍睆
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うぐいすなく
ウグイスが鳴く。深い茂みにいて姿はなかなか見かけないませんが雄は縄張りを宣言するために鳴き、オオルリやコマドリとともに日本三鳴鳥のひとつです。黄鶯はもともと高麗鶯という黄色い鳥で、睍睆は目部の漢字であることから本来は見た目が美しいことを意味します。見た目が美しい鳥なら鳴き声も、と人間が勝手に類推しているのです。
- 鶯に薬をしへん声の文
- 宝井其角