立冬
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りっとう
冬が始まります。この十五日間に旧暦十月が始まることが多く、十月一日に八百万の神々は男女の縁結びのため出雲へ旅立ちます。そのため旧暦十月を出雲国では神有月、それ以外の国では神無月と呼びます。季語である神の旅からは、神々が落葉を踏み、時雨に濡れそぼち、北風に押し戻されながらも出雲へ向かう姿が思い浮かびます。何気ない日々に終わりの予感をえて哀しみのまじる季節です。
- 冬に入る挽屑の香の中に鋸
- 大野林火
地始凍
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ちはじめてこおる
土が凍り始めること。目につくものに霜柱があります。寒くなり始めたけれど上着を羽織ればしのげるこの時季、振袖や袴姿の子どもが千歳飴を提げ親などに連れられ神社仏閣へ参詣します。一般には七五三と呼ばれますが男女の三歳は髪置、男子五歳は袴著、そして女子七歳は帯解とも。かつて七五三は関東地方で主に行われていた行事でした。今では全国区となり、北海道では十月に行われます。
- 辻凍ててあり明朗な青信号
- 澁谷道