大暑
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たいしょ
暑気がきわまる。太平洋高気圧がはりだして、快晴が続き、空には積乱雲がむくむくと起き上がり、夕立が降ります。酷暑三十日は別名三伏とも呼ばれ、小暑の終わりごろから初伏がはじまり大暑のあたりは中伏と呼ばれます。次は立秋となるため小暑の終わりごろとこの大暑の期間はすべて五番目の季節・土用となります。うなぎを食べる土用丑の日があるのもこのころですね。秋までもうすぐ、滋養をつけて夏バテを乗り切りましょう。
- 念力のゆるめば死ぬる大暑かな
- 村上鬼城
土潤溽暑
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つちうるおいてむしあつし
土が潤い、蒸し暑い日々。大暑のなかでもこの頃が最も暑い時期と言えるでしょう。いわゆる溽暑で、亜熱帯とも呼ばれる日本特有の高温多湿な気候を言います。湿度が肌にまとわりつくように触覚を刺激して、嗅覚を刺激するのは雨上がりの土の匂いです。溽暑と似たような季語に極暑や炎暑などがありますが、溽暑は氵があることから他の季語よりも湿度が高そうで、ジョクショという発音もいかにも湿っていそうですね。
- にんげんに潮めぐりゐる溽暑かな
- 岡田一実