びおの珠玉記事

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活き車海老、届きました!

活き車海老
びおリニューアルの機会に奮発して注文したのは、活き車海老。
本来、天然ものは夏から秋にかけてが旬といわれている車海老。
スーパーなどではあまりお目にかかることのない、生きている車海老。
それが手元に届くという非日常。
そう、まさに「ハレの日の旬」!なのです。
注文、到着、暴れる車海老との格闘…そしておいしくいただくまでの顛末をご紹介。

まずは注文。

今回注文したのは、天然の活き車海老。
店によると、養殖のものは一定の大きさまでしか育てることができないが、天然のものは制限なく大きくなるとのこと。また、過酷な自然界で生き抜いて引き締まった海老の身は、大きいサイズでも大味になることはないそうです。
重さ(g)で注文するのですが、天然の車海老はいろいろな大きさがあるため、海老のサイズを選べるというシステムでした。小さい海老ほど数は多い、というわけです。
サイズは次の5種類。

  • 特大サイズ(約120g:体長約25cm)/国内最大級の車海老。滅多に水揚げされない。
  • 大クルマサイズ(約100g:体長約23cm)/水揚は少ない。高級料亭などで人気。
  • クルマサイズ(約80g:体長約21cm)/大きさ・数のバランスで喜ばれ、一番人気。
  • 小クルマサイズ(約50g:体長約18cm)/養殖海老だと特大サイズに相当。色々な調理に向く。
  • マキサイズ(約30g:体長約16cm)/皮を剥いてそのまま食べる、踊り食いに最適。

大きいものは25cmにもなるんですね!
ちなみに、通常販売されている養殖の活き車海老は、細マキサイズ(25g前後)なのだそうです。
この時、「特大サイズ」と「大クルマサイズ」は品切れ。
「クルマサイズ」と「小クルマサイズ」で散々迷った末、「小クルマサイズ」を選択して…注文!
後は届くのを待つばかり…。

届きました!

さて、車海老が届く予定のその日。
朝から何やらそわそわと、落ち着かない面々。
ピンポーン。
……「お荷物です。」
来たっ。
天然の活き車海老、届きました!
ふたを開けると、包みがひとつ。

包装紙を取ってふたを開けると、箱いっぱいに詰まった、おが屑。

車海老とおがくず

何故おが屑なのかというと。
クルマエビは頭部の殻の下のエラに水分を蓄えておくことができ、その水分に溶け込んだ酸素を呼吸に利用することができます。そのため、数日間は海水なしでも生きていられます。
箱詰めする時におが屑を使うと、おが屑がエラの蓋になってエラの中の水分を保持するため、生きたままクルマエビを消費地へ送ることができるのだそうです。(輸送中の温度変化などで、稀に死んでしまう場合もあるそうですが)
また、おが屑には保温・保湿の効果、また衝撃からエビを守るためのクッションの役割、エビが暴れないように押さえる役割もあるのだとか。
さて、おが屑の中を探ってみると…。

いました!
……動いています。
生きてる〜。
最初、「さすがにそんなに元気ないのでは…?」と思ったのもつかの間、おが屑から取り出すと、びょんっと跳ねて暴れます。

≪オガクズの飛び散りにご注意下さい≫
箱から海老を取り出す場合、暴れてオガクズが飛び散ることがございます。
新聞紙などを敷いて取り出してください。

という注意書きのとおり、箱の周りに新聞紙を敷いたものの…。

取り出したら、おが屑を水道水で洗い流すのですが、この時にも暴れます。
全部で7匹。
“暴れ度”は海老によってそれぞれで、大暴れなのも、比較的おとなしい(あまり元気がない?)のもいました。
しかし、辺り一面おが屑まみれに……
予想以上の暴れっぷりです。甘く見ていました。
さて、おが屑を洗い流してきれいになった車海老。
こんな顔をしています。
立派なヒゲもついてます。

クルマエビの頭

横にすると、こんな感じ。

クルマエビ

全体。
きれいな縞模様です。
尾には鮮やかな黄色と青色の縞があります。

いよいよ調理開始。

さて、いよいよ調理開始です。
どのように食べようか迷いましたが、お刺身と塩焼きにすることにしました。
シンプルだからこそ、素材のよさが決め手の、折角の活き海老に持って来いの料理法です。
車海老を生きたまま調理できれば問題ないのですが、暴れて調理しにくいということもありますし、動いているものを手にかけるのはちょっと抵抗がある…などという場合は、車海老を氷水に入れると動かなくなり、調理しやすくなるとのこと。
早速、氷水に入れてみました。

しばらくの間は動いていましたが、おとなしくなったようです。

氷水と車海老

まずはお刺身。

はじめにお刺身をつくりました。
頭と胴を両手で持ち、折るようにして頭を切り離します。
うまくいけば、背わたも一緒に抜き取れます。

車海老の調理

しかし、生きている海老にビクビクの記者のへっぴり腰のせいか、あるいは海老が新鮮だからか、なかなかうまく頭が折れません。
「うまく折れません〜」などとぼやきながら、ぐずぐずやっていると…
ゴソゴソっと海老の足が動きました!
ひゃあぁ〜
記者は思わず叫び、反射的に海老をまな板の上に置いて、手を引っ込めていました。

情けない…。
こんなことしてたら、海老は余計に苦しいだろうし、海老に失礼ですね。
ごめんなさい。
ありがたく、おいしくいただきます。
思い切って、スパッとやらなくては。
覚悟を決めて、気を取り直して。

頭を切り離しました。

車海老の頭をきりはなす

背わたは、頭と一緒には取れなかったので、爪楊枝を使って取り出します。

こんなに大きい背わたが取れました。

車海老の背わた

車海老の背わた

次に、尾の手前1節を残して殻を剥き、足を取ります。
殻も、おそらく海老が生で、新鮮なためだと思うのですが、剥きにくかったです。これまでに海老を食べるときに剥いていたようにはいきませんでした。
そして、尾の中央の剣先を切り取り、尾をしごいて水分を除きます。

冷水(氷水)でさっと洗い、水気を拭き取ったら出来上がりです!

車海老の刺身

車海老の刺身

車海老、ツヤツヤしています。
見るからに、甘みとプリプリの食感が期待できそうです!
さて、先ほど切り離した頭や、剥いた殻ですが、これも活用できます。
頭も殻も、スープとして使うこともできます。よいだしが出ますので、おすましなどに。
また、特に車海老は、頭を焼いたり、から揚げにすると絶品!なのだそうです。

続いて塩焼き。

続いて、塩焼きにします。
海老の背わたを取ります。
ヒゲを切っておきます。(焦げてしまうため)
焼いたときに海老が丸まらないように、尾から頭にかけて竹串を刺します。
焼く直前に塩を振ります。尾は焦げやすいので、飾り塩をするとよいでしょう。
準備はこれだけ。
準備が整ったら、網で焼いていきます!

車海老の網焼き

海老はまだ生きています。
はじめの片面を焼いているくらいの間、動いていました。

頃合いを見て、ひっくり返します。
ひっくり返してみると、いい色になっていました。
きれいな赤色に変身!

焼けてきた車海老

焼けてきました〜
いい匂いが漂ってきます。
ただ、焼きすぎると身が固くなってしまうので、注意。

焼けました!
レモンを添えて、盛りつけます。
おいしそう!
身がぎゅっと詰まっているのが見て取れます。
うーん、姿よし・色よし(そしてきっと味もよし!)ですね。
きれいな赤色になって、見映えのする、豪華な姿。
とくとご覧あれ。

車海老の塩焼き

それから、お刺身をつくったときに切り離した頭も、塩焼きにしてみました。

車海老のお頭の塩焼き

いただきます!

お刺身と塩焼きを並べて、車海老づくし。
期待が高まります。
まだ?
まだ?

車海老尽くし

では、いただきます!

みな口々に
おいしい〜!
うまい!
を連発。
お刺身は、まず塩で、そしてわさび醤油で食べました。
特筆すべきは「何これ!」という歯応え、弾力。
そして独特の、ねっとりとした甘み。
塩焼きも、やはりプリプリとした歯応えがうれしい!
お刺身とはまた違った甘みと旨みが口の中に広がります。
頭も、目と尖った部分を除いて、そのまま丸ごとバリバリといただきました。
香ばしさとたっぷりの海老の旨み。
そして味噌も絶妙。
お酒にぴったりですね…。
贅沢な逸品、まさに「ハレの日の旬」を満喫しました!