ちいきのたより

Vol.38  昔の職人技術に感動 
香川県丸亀市 和住宅

4月に和住宅に入社しました、前川です。
設計士を目指して勉強を続けながら、現場で奮闘中! 緊張と初めての連続で毎日へとへとですが、とても充実しています。まだまだ未熟な私ですが、頑張っています。よろしくお願いします。

さて、突然ですが、みなさんダムには興味ありますか?
有名なダムといえば、映画「黒部の太陽」でも知られている富山県にある「黒部ダム」ですが、香川県にも有名なダムがあるのをご存知ですか?

富山県黒部ダム富山県 黒部ダム [ウィキペディアより]

そう、観音寺市大野原町にある「豊稔池ほうねんいけダム」です。
私は幼い頃、一度だけ見に行ったことがあります。ですが、その記憶は鮮明ではありません。もう一度、自分の目で見てみたいと思い、実際に豊稔池ダムを訪れました。

豊稔池ダムに来ました!

「お~! 遠い記憶の中のダムより大きく、迫力満点だ!」
新緑の美しい自然に囲まれ、時々ウグイスの鳴き声も聞こえ、石造りのダムにときめきました!
……ダムにときめく女子って、変ですか?

上を見上げるほどの大迫力の豊稔池ダム

思わず見上げてしまう大迫力

豊稔池ダムと言えば、日本最古の石積式のマルチプルアーチダムです。
どのようなダムを想像されますか?

マルチプルアーチダムとは、アーチが複数連なり、間に扶壁ふへきと呼ばれる支柱を立てて作られたダムの事です。一般的には重力式コンクリートダムといい、コンクリートの質量を利用してダムの重力で水圧に耐える特徴がありますが、豊稔池ダムは洪水吐こうずいばきを5カ所設けており、また違ったダムです。
高さは30.4m、長さは145.5mと、大迫力です。

貯水量は、159万㎥にもなり、これは東京ドーム約34個分にもあたります。現在は、530ヘクタール余りの農地を潤し続けています。

日本最古の石積式のマルチプルアーチダムの豊稔池ダム
マルチプルアーチダムで建設されたダムは、

この2基のみです。
いったいなぜ香川県にこのようなダムが建設されたのでしょうか?

香川県は、降水量が少なく昔から干ばつに悩まされる水不足の地域で、度重なる干ばつ対策として川をせき止め、ダムが建設されたのです。
豊稔池ダムは、1926年(大正15年)に建設が始まり、竣工は1929年(昭和4年)。のべ15万人もの人々が建設に携わったといわれています。

大正時代は、重機やトラックなどはありません。すべて、人々の手でつくりあげられたのです。
下流部には、当時の古い石積みが残されています。

手作業でダムを建造中の当時の白黒写真

建造中の豊稔池堰堤

「豊稔池ダム」という名前には、この “ため池” の水が、観音寺市に豊かな稔りをもたらしてほしい、という願いが込められていたと言います。

その先人の願いと努力のおかげで、観音寺名産の「らりるれレタス」は、香川県のスーパーではお馴染みとなり、全国に出荷するほど、国内有数のレタスに成長しました。「らりるれレタス」はしっかりとした味に、シャキシャキとした歯ごたえで日持ちが良く、時間がたってもみずみずしくとても美味しいです。サラダで食べるとより美味しさがまし、芸能人の藤田二コルさんも香川県の野菜を応援してくれています。

田んぼが広がる観音寺農地

観音寺農地 [SETOUCHI Finderより]

ところで、豊稔池ダムはいつ、どのようにして放水されていると思いますか?

実は、ダムの頂上まで増水した時点ですべての水を一気に落下させるのではなく、徐々に放水させています。また、毎年7月の下旬から8月頃には「ゆるぬき」が行なわれ、盛夏の到来を告げる風物詩として知られています。

豊稔池ゆるぬきの様子

ゆるぬきの様子  [観音寺市webサイトより]

ゆるぬきとは、雨量の少ない夏に下流の農地を潤すため、水を一気に放水することです。その量なんと、毎秒4トン! マイナスイオンがたっぷりの大迫力です。この迫力を間近で体感したい方は、ぜひ足を運んでみてください。

訪れた記念に、ダムカードももらえます。もちろん、私ももらいました。

ダムカード貰いました!

「これがダムカードか~! やったぜ!」

表に写真、裏に豊稔池ダムのことが詳しく書かれており、平日であれば豊稔池ダム土地改良事務所でもらえます。休日や祝日は、観音寺市大原市役所にて配布しています。

みなさんは、ダムカードはお持ちですか? お持ちでない方はお急ぎを。1枚集めるとどんどん集めたくなります。ぜひ、ダム巡りしてみては?

話は変わりますが、前回の和住宅の記事でもご紹介した、崩落した丸亀城の石垣の復旧が本格的にスタートしました。丸亀のゆるキャラ「骨付きじゅうじゅう」も頑張っています。

骨付きじゅうじゅう

骨付きじゅうじゅう [丸亀市ホームページより]

たくさんの方から、たくさんの応援をいただいて、2022年の完全復旧に向けて、少しずつ修復がすすんでいます。もとの「石垣の名城」丸亀城の姿を取り戻し、沢山の方に見に来てほしいです。

ぜひ一度、「香川県に来まいよ」。

前川佳里奈
ちいきの記者
前川佳里奈まえかわ・かりな
高松生まれ 高松育ち うどんだいすき人間。
4月に入社した現場ガール。まだまだ未熟ですが、頑張っています。趣味はダンスと写真を撮ること。香川県はうどんだけじゃない。讃岐の風景と自然と食材は日本一。

 

有限会社和住宅
(有)和住宅なごみじゅうたく
香川県丸亀市飯野町東分931-1
TEL:0877-43-2753
URL:http://nagomi-jyutaku.jp
「高知土佐の木を使い、本物の素材と匠の技でつくる自然素材の家」
香川県丸亀市、青ノ山のふもとで営む小さな工務店です。和住宅の家づくりは、お施主様、スタッフ、そして職人、みんなが関わってできています。
お客様との納得できる打合せ、たまたま居合わせた職人との談笑、 些細なことでも和住宅での家づくりを楽しんで頂きたいのです。
そして、家ができあがった後からが、「本当のお付き合い」。いつまでも安心して過ごせるよう、和住宅では30年間の定期的な アフターメンテナンスを徹底して行っています。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお