ちいきのたより

Vol.96  小川工務店のカシニワ事情 
千葉県柏市 小川工務店

蚕起食鍬(蚕起きてくわをはむ)
蚕が桑の葉をたくさん食べて成長する頃になりました。

毎回、一方的にお伝えしている弊社の「カシニワ」事情
今回はカシニワの現状とそれを支えるスタッフについて書かせていただきます。

そもそも、カシニワとはわが街、千葉県柏市で生まれた民家や企業の庭を開放し、きれいに咲いた花を柏市民みんなの庭として楽しもうというもの。
会社設立以来、花を植え続けている花壇も、昨年思い立って申請を済ませ、新米カシニワとしてデビュー。近隣にお住まいの方に楽しんでいただいています。

とはいえ、皆さんに見ていただく庭を維持するには手入れをしなくてはなりません。
わが社の庭は、スタッフみんなのお母さんである営業のKさんによりキレイに整えられています。

Kさんの似顔絵
(数年前に似顔絵師に書いていただいたKさんのイラスト、激似)

毎朝、たっぷりの水を与え、花がらを摘み、つぼみが咲きやすくする。
花の盛りが終われば土を入れかえ、新しい株に。
文章にするとほんの数行ですが、これを営業職と同時に続けるのはとても骨の折れる作業です。
わたしはといえば、日々の業務や植物アレルギーを理由に手伝うこともせず、Kさんの溢れるお母さんマインドに当たり前に甘え続けてきました。
この2月、そんな当たり前はKさんの永眠によって、当たり前でなくなりました。

地元への関心が低いわたしに、地域に住む芸術家のアトリエや、おもしろい趣味を持った人、素敵なお店を紹介してくれました。過去の投稿を書く際、休日を使って一緒に取材にも出かけました。
社内書類のデータ化を進めたいわたしに、パソコンの苦手なKさんが面白くない思いをしていたことも知っているし、些細なことで怒られたこともあります。
同僚という言葉で括るにはエピソードが多すぎて、喪失感を感じる日々です。もちろん他のスタッフも。

そんなわたしたちに残された花壇…。

カラフルなビオラが並ぶ小川工務店のカシニワ

アレルギー判明以来、草花にまったく触れてきませんでしたが、おっかなびっくり、ビニール手袋を装備して、花壇の守り人をはじめました。

「土の渇きを確かめ、水をやり、咲き終わった花がらを摘む」
ビオラのお手入れ

手入れをしていると、近隣の方から「いつもキレイな花だね」「手入れ大変ですねー」と声を掛けていただきます。なかにはKさんによる長年のお世話をご存知で思い出話になることも…。

花を会話の糸口に、連れているワンちゃんのことや、お孫さんのことなど話は広がります。
昨日は通行人のひとりに過ぎなかった人が、翌日には笑顔を交わしあう相手となる。パソコンに向かって仕事をする日々の中、ひどく刺激的で新鮮な経験です。この街の素敵ポイントをまたひとつ知りました。
満開のビオラ

気温が高くなり、本来ならばビオラの盛りも終わる頃。
メインのお世話係が不在のまま、カシニワを続けて行けるのか。
この花壇をどのように維持していくことができるのか。この先のことは、まだわかりません。

残されたこの花が新しい芽をつけ続けている今は、小さな息吹を少しでも長く繋げられるよう、今日も花がらを摘んでいます。

青い空とビオラ

この原稿を書いている今、多くの県での非常事態宣言の解除が決定されました。
千葉県は、もう少し先になりそうです。
ストレスを感じることの多い日々ですが、人の優しさに鈍感にならず過ごしていきたいものですね。

古賀知加子
ちいきの記者
古賀知加子こが・ちかこ
工務店に入社して10年余り。こんなに長くいるつもりもなかったのに、楽しみながら仕事をしていたらこんなに時間が過ぎていました。
会社内では広報をはじめ受付、経理や総務など何でも屋。領収書紛失は許しません!(笑)
お客様に最初に接することになるので、明るく気持ちのいい対応を心掛けています。

 

千葉県柏市 小川工務店施工事例
(株)小川工務店おがわこうむてん
千葉県柏市新逆井2-9-17
TEL:04-7174-4102
URL:https://www.ogawa-bco.co.jp
「より良い住まいづくり 豊かな暮らしのお手伝い」をモットーに、お客様のニーズに合わせた新築住宅・リフォーム・リノベーション工事を行っています。
安全・安心・快適・健康・幸福な住まいと暮らし実現に向け、工事終了後も「住まいと暮らし生涯点検」を行い、住まいのホームドクターとしてお役に立てるよう、社員一同努力しています。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお