色、いろいろの七十二候
第86回
蓮始開・七夕
画 祖父江ヒロコ
こよみの色
二十四節気
しょうしょ
小暑
空色 #A0D8EF
七十二候
はすはじめてひらく
蓮始開
淡群青色#769DCD
織姫と彦星は、新暦導入の最大の被害者かもしれません。
太陰太陽暦の時代の二十四節気が、現代の暦に反映されるようになって、暦と季節があわないようになりました。2月4日の立春が「暦の上では春」といわれるのが代表例です。けれど、立春は決して春まっただなか、という意味ではなくて「春の気立つを以って也」といわれます。現代の2月4日でも、春の気配はほんの少しずつ見えていますから、なんとかセーフ、でしょうか。
「七夕」は、二十四節気・七十二候ではありません。端午の節句や桃の節句とならぶ、五節句のひとつです。旧暦の7月7日に行われていた年中行事でしたが、新暦導入時に日付がそのままスライドされて、現在も7月7日とされています。
旧暦ですと、七夕の時期は現在の8月半ばです。8月だったら、大丈夫だったのに。
もうおわかりですね。このころになれば、梅雨が空けて、夏のきれいな夜空が広がります。もともとの七夕は、夏の星を見るのに適した時期だったのです。
織姫と彦星は、年に一度、七夕の日だけに会うことが出来るといわれています。もともとは、夏の夜空に天の川が広がる時期の伝説が、現代の暦に改められて、梅雨真っ只中の新暦7月7日になってしまいました(いまも、8月に七夕飾りを飾る地域もあります)。
天の川 小さくあれど志
矢島渚男
矢島渚男
子どもが小さいうちは、七夕飾りに短冊をつけたり、願い事を書いたり、という機会もありますが、大人だけの世帯になると、そうした機会が少なくなって来てしまいます。
この連載が、そうしたご家庭には懐かしく、今まさに子育て真っ最中、というご家庭には共感を持って、旬のある暮らしの楽しさが伝わったなら幸いです。
文/小池一三
※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2015年07月06日の過去記事より再掲載)
(2015年07月06日の過去記事より再掲載)