色、いろいろの七十二候

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虹蔵不見・冬茜

茜色の空
こよみの色

二十四節気

しょうせつ

小雪
砂色すないろ #DCD3B2

砂のような灰色かかった薄い黄色。日本の海岸に広がる平均的な砂の色をさす。

七十二候

にじかくれてみえず

虹蔵不見
枯草色かれくさいろ #E3BE88

枯れた草のような薄い茶色。平安時代の襲(かさね)の色目に冬の色として枯野枯色がある。近代、通俗的に枯色が枯草色と呼ばれるようになった。

秋の夕焼けは釣瓶つるべ落としといわれます。まるで深井戸に釣瓶が落ちて行くようだという形容で、井戸のない生活では、これはよく分らないかも知れません。

海の日のつるべ落としや親知らず
  阿波野青畝
釣瓶落とし家裏に抜く葱二本
  相馬遷子

けれど、この二つの句を読むと、意味は通じるのではないでしょうか。
秋の夕焼けが釣瓶落としなら、冬の夕焼けはもっと早く、あっという間のものです。冬茜という形容は、だれが考えたのか知りませんが、一番寒いときに、夕焼けが際立つ一瞬をうまく表わしています。それも赤ではなく、茜。
茜色は、薬用・染料植物アカネの根で染めた暗い赤色をいいます。日本では、紅花ベニバナよりも古くから赤色の染料として用いられてきました。アカネを染料にしている色は、他に緋色があります。こちらは鮮やかな赤色で、茜色より明るい色です。

茜は、春茜、夏茜、秋茜、冬茜と、四季折々に用いられます。夏と秋はトンボの名前で、春と冬は夕焼け空をいいます。

石くれ仏ひしめくかぎり冬茜
  文挾夫佐恵

大分の臼杵に行ったとき、茜色の光のたゆたいのなか石仏がありました。この句は、そのときのことを思い起こさせてくれました。

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2011年11月23日の過去記事より再掲載)