二十四節気では大寒(だいかん)の末候、七十二候では鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)を迎えます。
冷え込みもはげしく、寒さが最も厳しい頃。二十四節気の最後の節気で、ここを乗り切れば春近しということだそうです。寒気を利用した食物（凍り豆腐、寒天、酒、味噌など）を仕込む時期にもあたります。鶏が鳥小屋に入って卵を産み始める頃。本来、鶏は冬は産卵せず、春が近づくと卵を産んだのだとか。

ちいきのたよりの記事を書く度に、二十四節気と七十二候を調べるのですが、今回の“鶏始乳”を読んで、にわとりは冬は本来産卵しなかったのか。。。明治時代の頃よりだいぶ温暖化しているのかなとか思ってしまいました。
というのも、実は私の嫁ぎ先には鶏小屋があって、平飼い卵が毎日産卵されているので、寒い日は卵がほぼないとか、今は産卵率が高いとか、日常の中でなんとなく感じていました。2020～2021年にかけてのこの年末年始の大雪の際、ここ朝倉の我が家はあっという間に雪国と化し、その日はたしかに鶏も卵は産んでいませんでした。。。
ちなみに大雪の日でなければ、冬でも我が家の鶏たちは元気には卵を産んでくれます(笑)

比良松は筑紫平野の東部、甘木の南東８kmの所に位置し、中央附近を北から西に桂川が流れ、日田街道(朝倉街道)が通っています。
江戸時代を通じて福岡藩領。この地方の主産業は米作中心の農業で、上座米と呼ばれ最良品と云われたとのこと。米作以外では上座煙草や木蝋であり、蝋生産は藩財政上からも重視され、櫨(はぜ)栽培が奨励され、全国的にも筑前櫨の中心地となっていたそうです。

古い町並みは旧日田街道に沿って建ち並び、旧道のため幹線道路からはひっそりと身を潜めています。甘酒で有名な“国菊あまざけ”を製造している(株)篠崎を中心に200ｍ程の距離の中に妻入り入母屋造りの商家建物が連なっていました。
この町並の特徴は千本格子が多く残っていることと言われ、町並みの一翼を担う地酒「国菊」の篠崎酒造は江戸時代中期に創業した200年以上の歴史を持つ酒蔵だそうです。

篠崎蔵元店千の蔵国菊 あまざけ

「福岡から「本格」国産ボトルドカクテルを全国に発信していきたい。」

「このコロナ禍においても、私たちの大切なパートナーである飲食店様、そして私たちの製品を愛してくださるお客様、全ての皆様にワクワクするひと時をお届けしたい」
その様な思いから、本プロジェクトは産まれたそうです。

比良松地区といえば、2017年７月の九州北部豪雨で被害が大きかった地域でもあります。私にとっては道路や田んぼが土砂に埋まった光景や、住宅の床下まで流れ込んだ土砂の泥出しの手伝いをしたことなど記憶に新しい場所です。
あれから３年以上が経ち、いまだに工事途中の場所はあるものの、着実に元の生活に戻っているようでした。

今回のコロナ禍では、巣ごもりなど家で過ごす時間が増え、働き方、暮らし方が見直され、ものすごい速さで社会が変わっています。
この比良松地区が豪雨災害の被害から時間をかけて元の生活に戻ったように、日本も世界もよい方向に進んでいくことを願うばかりです。

ここ朝倉市周辺にはまだまだ魅力的な古い建物、街並みがありますよ！
また次回ご紹介できたらと思います。

ちいきの記者
坂口奈津紀 さかぐち・なつき
神奈川県に生まれ育つ。学生の頃から趣味は古民家や伝統的な街並みを見て回ること。東京の設計事務所にて伝統的構法による木造住宅の設計を学んだ後、福岡にIターン。巡りめぐって悠山想にたどり着き、そのまま朝倉市のぶどう農家に永久就職。自然の中で子育てしながら朝倉の魅力を発掘中！

　

(有)建築工房悠山想けんちくこうぼう ゆうざんそう
福岡県朝倉市中原字八反田280-3
TEL:0946-21-5076
URL:https://yuuzansou.jp

悠山想の思いは自然の摂理の中で生きていく家づくりと生き方を目指すこと。福岡県朝倉市に事務所を構え、“100年もつ家は4世代が暮らすことができるもの”を目指し、長持ちする健全な構造、耐久性のあるデザイン、快適な温熱環境の住まいを設計しています。社員大工による手刻みと左官職人の塗り壁といった伝統的な手仕事にこだわり、職人の技術と共に日本の気候風土にあった現代の民家を次世代に繋げます。