ヨリドコロえんがわ

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つながる面白さ

ヨリドコロえんがわの入り口ではくまもんがお出迎え
2018年11月にオープンしたお店「ヨリドコロえんがわ」
砂ぼこりで全身が真っ白に汚れながら行ったリノベーション工事が、今では懐かしく良い思い出です。
カフェメニューの開発やイベント企画など試行錯誤の日々でしたが、次第にお客様や協力してくださる方も増え、少しずつですが確実に「みんなのヨリドコロ」になっていくのを感じていました。

そんな中、新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令。
未曽有の事態にお店は休業することになり、その間、原点である古民家「山ぼうしの樹」に戻り、これまでの事やこれからの事について皆で話し合いました。
それまで山ぼうしの樹は、家づくりの相談場所として活用しており、普段、お店の営業は行っていませんでしたが、いずれは、この場所も人が集まる場所となることを思い描いていたので、ちょうど今のコロナ渦のタイミングで手を加え、お店としてオープンすることに決まったのでした。

同時に、休業中だったヨリドコロえんがわも、以前から協力してくれていた作家さんが、想いそのままに、後を引き継いで下さる事になり、今年3月無事にリニューアルオープンを迎えました。

ヨリドコロえんがわでは、赤ちゃんやお母さん向けの商品と古道具の販売。
そして引き続き、生タピオカドリンクを中心に提供する喫茶を。

山ぼうしの樹は、手仕事作品の販売を行うショップと、ランチや和のスイーツなどの提供を。
ランチは、以前ヨリドコロえんがわのお客様だった方がスタッフに入り、毎回美味しくて体にも優しい手料理を作っています。
おにぎりの和定食

ランチ、やさしい定食は食べてホッとすると大人気

えんがわと山ぼうしの樹は車で約10分の距離にあるので、お客様も行き来しやすく、更に最近では近隣のお店も増えてきたので、ますます楽しめる町になっているようです。
山ぼうしの樹停留所

山ぼうしの樹とヨリドコロえんがわを結ぶバス停は写真スポットに

先行きが見えないコロナ禍の中ではありますが、山ぼうしの樹では最近、とくに「癒し」を求めて来られる方が多く、幅広い年代のお客様にご利用頂いています。
窓をいっぱいに開けて、自然の風を取り入れながら、ゆっくりとランチを食べたり、縁側でのんびり会話を楽しむ人たち。
「コロナ禍だから窓を開けましょう」ではなく、山ぼうしの樹では普段から窓を開けます。(その方が気持ちがいいから)

また、小規模な結婚式や会食会、フォトウエディングなどのブライダル関連、貸切や完全予約制でのご利用なども増えており、コロナがもたらす新しい価値観やスタイルが、結果的に一人ひとりの満足度を高めることにつながっていくのかもしれませんね。

山ぼうしの樹cafe

縁側で家族団らん


レトロな結婚式

小さな結婚式、ゲート前にて

山ぼうしの樹とヨリドコロえんがわ。
これからはダブルでお客様のヨリドコロとなればと願っております。
熊本にお越しの際は、是非ともお立ち寄りください。

今回が最後の連載記事の最後となります。今までお目通しいただき、ありがとうございました!
ヨリドコロえんがわと森川瞳さん

著者について

森川瞳

森川瞳もりかわ・ひとみ
熊本県熊本市出身。
5人兄弟の末っ子で、小さい頃の遊びは、兄達と虫探しや自然遊びをすることばかり。10代後半に犬小屋を建てたことがきっかけで、木工をはじめる。
23歳のとき、本物の家具職人の仕事を見るため一年間、飛騨高山へ。
そこで体験した出来事や出会った方々が刺激となり、木材だけでなく、森への関心を生む。
熊本へ戻り、「木や森のことを伝えること」を目的とした木工教室をはじめる。その後、教室がきっかけでミズタホームに入社。
現在は「樹子工房」という名前で家具小物の製作や、木工教室、広報、企画、ショップの管理などを担当している。

連載について

熊本甲佐町にあるその店は、日々「何かしたい」と「何か感じたい」の気持ちに溢れる人達が寄り集まる場所となっています。 ある日は一日カフェ店長として、ある日はフラリ訪れてみたお客として、またある日は駆られた衝動で作り上げたモノを売る創作家として…。 "作る喜び" と "生きる喜び" が緩やかに漂うレンタルカフェ&スペース「ヨリドコロえんがわ」より、工務店女子兼店長である森川瞳さんが、日々の体験や思ったことを綴ってくれます。