大寒
-
だいかん
とても寒いとき。立春を二十四節気のはじまりとするなら大寒は一年の終わりで、冬の終わりでもあります。だんだんと日脚が伸び、昼が長く、少しづつあたたかく感じられるころ。とはいえまだ寒いですね。二十日正月といってもう正月ではなくなるころでもあります。一月二十五日には各地の天満宮で初天神が開かれ、落語のように親子連れが露店をひやかしているかも。
- 大寒の残骸として飼育室
- 曾根毅
鶏始乳
-
にわとりはじめてとやにつく
鶏が卵を産む。寒中に産まれた卵は寒卵で栄養価が高いとされていますが、大寒のときに産まれた卵は特に大寒卵と呼ばれていました。子どもが食べるとたちまち大人になり、大人が食べるとすぐに金持ちになると言われていて、なんだかイソップ寓話の「ガチョウと黄金の卵」みたいですね。むかしはこの時期に鶏卵が採れなかったから稀少性を愛でたんでしょうけれど。
- 大つぶの寒卵おく襤褸の上
- 飯田蛇笏