立冬
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りっとう
冬が始まります。この十五日間に旧暦十月が始まることが多く、十月一日に八百万の神々は男女の縁結びのため出雲へ旅立ちます。そのため旧暦十月を出雲国では神有月と、それ以外の国では神無月と呼びます。季語である神の旅からは、神々が落葉を踏み、時雨に濡れそぼち、北風に押し戻されながらも出雲へ向かう姿が思い浮かびます。何気ない日々に終わりの予感をえて哀しみのまじる季節です。
- 冬に入る挽屑の香の中に鋸
- 大野林火
山茶始開
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つばきはじめてひらく
つばき、ですが漢字は山茶花。時季としても山茶花でしょう。初春から咲き始める椿は落椿といい花がまとまって落ちますが、山茶花は花びら一枚ごとに落ちます。十一月の酉の日には浅草の鷲神社や新宿の花園神社などで酉の市が開かれ、商店主やサラリーマンが大きな熊手を担いで大通りを闊歩します。最初の酉の市を一の酉、二回目を二の酉と呼び年によっては三の酉まであります。
- 超巨大熊手がギラギラガールズへ
- 北大路翼