清明
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せいめい
清浄明潔の略。東南の風が吹き、萌え出た芽の名前が判別できるようになります。この時季に、日本各地のお寺でお釈迦様の生誕を祝う仏生会あるいは花祭が執り行われます。花御堂のなかに、天上天下唯我独尊の姿を模した仏像が置かれ、甘露の雨を模した甘茶をかけ流します。新学年がはじまる時季でもあり、仏教行事も多く催され、まさに清明の名にふさわしいですね。
- 乾の手の一指を立てて甘茶仏
- 野見山朱鳥
玄鳥至
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つばめきたる
燕が南から飛来する。雁が和歌の題材となる優雅な鳥なのに対して、燕は俳人たちが春の市井を表現するための俗っぽい鳥でした。商店街の軒先で巣をよく見かけることから民衆に近い鳥であることは変わっていませんね。燕は虫を食べ米を食べないことから農家では益鳥とされ、燕が巣を作ると商家は繁栄する、なんてジンクスもあります。今でも大事にしたい鳥です。
- 飛車角行と燕メ働く野づら哉
- 一定