小雪
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しょうせつ
雪の降り始めるころ。風花といって晴天に雪がちらつくこともあり、静岡県や群馬県など空っ風の吹く地域では冬の風物詩として知られています。本格的な冬に備えて家を覆う雪囲を設けたり、支柱を立てて縄や針金などを八方に張り庭木の枝を吊る雪吊を作ったり、木の幹に藪巻をしたり、苔を保護するために松の枯葉を敷いたりといった光景が見られるのもこのあたり。
- 風花やときには押入より唄ふ
- 佐藤文香
橘始黄
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たちばなはじめてきばむ
橘は柑橘類の総称。蜜柑が黄色に色づきはじめるのは晩秋ですが、炬燵に温州みかんは冬籠の象徴です。平安京の紫宸殿前には橘が植えられ左近の桜に対し右近の橘と呼ばれていました。記紀には非時香果の名で不老長寿の果実と書かれています。不老長寿と呼ばれたのは昔の日本人が実よりも常緑の葉に注目したからかも。葉の色を変えない橘の木は冬の目を楽しませます。
- 柚子は黄に席は自由に映画館
- 中山奈々