秋分
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しゅうぶん
昼と夜の長さが同じになる日。この日から夜長がはじまります。また、秋分は七日間ある秋の彼岸の中日にあたり、彼岸の入りから彼岸明けにかけておはぎを作って仏壇に供えたり墓参りをしたりする地域もあります。秋の彼岸に畦道や堤防に曼殊沙華が真っ赤な花を輪状に咲かせます。別名は彼岸花・死人花・幽霊花など。暑さが和らぎ涼しさを感じるなかで、亡き人に思いを馳せる季節でもあります。
- 花火師の旅してゐたり曼珠沙華
- 加藤楸邨
水始涸
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みずはじめてかる
水田から水を抜くこと。季語の水涸るのように池や川の水が涸れるのではなく、稲刈の約一週間前に水田の水を涸らします。これは稲を乾かし登熟を促す大切な作業で、水田から抜いた水は落し水と呼ばれ「阿武隈や五十四郡のおとし水/蕪村」のように風物詩となります。刈った稲は稲木に掛けて干します。島根県大田市温泉津西田地区には稲を掛けると梟に似る特殊な稲掛の技術があり、ヨズクハデと呼ばれています。新米の季節ですね。
- 落し水闇もろともに流れをり
- 草間時彦