無垢

暮らしを映すカメラ

Vol.3  今月の3題

1:樫の木の製材

先月伐った樫の木から3本を選び、製材しに行ってきました。
いずれも4mの長さで、太いものは直径80cmほど。
厚め(12cm~21cm)に挽いて数年寝かす予定です。

表題写真/伐採した樫の木を製材すると、ほんのり黄色いきれいな肌理が出てきました。

クレーン

4tのユニック車で運びます。クレーンのブームが動きながらなので忙しなかったのですが、ブームで太陽を遮りフレアを防いでいます。広角レンズの勢いあるシルエットを逆光で切り取りました。

カシ

選んだ3本の樫の丸太

樫の切断面

一番太い根元。製材機に入らず今のところ放置される運命です。

2:お爺さんの居場所

樫の木のあった家のお爺さんの特等席。焚き火をしながら陽だまりで日中過ごされています。

日向ぼっこ

焚き火と陽だまりのお爺さん。

パイプ椅子

パイプ椅子が特等席
一見雑然としていますが、レンズを開放してパイプ椅子にピントを合わせています。日々の暮らしの中でモノの配置が決まっていった穏やかな経過がボケ味の中に滲んでいます。

化粧室

パウダールームもあります。

3:お宝鑑定のお手伝い

以前設計した家の家主が、昔からの品々を片付けたいとのこと。
まずは写真を撮る役を買ってでました。

陶器

釉薬が大胆

陶器

たくさんの盃

衝重

朱塗りの三方

使用機材:
SONY α7
LEICA 50mm 1.4 SUMMILUX
LEICA 35mm 1.4 SUMMILUX
LEICA 16-21mm 4 TRI-ELMAR
写真はすべて、ノートリミング、デジタル未処理。

著者について

松澤穣

松澤穣まつざわ・みのる
建築家
1963年東京生まれ。建築家。松澤穰建築設計事務所代表。多摩美術大学環境デザイン学科教授。東京芸術大学卒業・同大学院修了。代表作に、欅の家、里山住宅博のヴァンガードハウスなどがある。父親の影響で幼い頃からカメラに親しみ、ライカのレンズを愛用。

連載について

松澤さんは、カメラにもとっても詳しい建築家の一人です。気ままに撮っていますと言いながら、愛用のライカのレンズで安定感のある写真を撮影されるので、ちっとも気ままに思えません。8月にWebびお養成塾で担当された写真講座では、参考になった!もっと写真を見たい!など、受講生からの反響も大。そこで、Webびおでも松澤さんの写真講座をお願いすることになりました。松澤さんは、どんなことを考えながらカメラのファインダーを覗いているのでしょうか。