住まいのグラフィティ
Vol.25 SPACE SEVEN
村松篤設計事務所
通り掛かりの人が思わず立ち止まる。そして、これは何だ? と凝視する。敷地を初めて見た時から目を引かせたいと考えていたことが、思いのほか上手く展開しているようだ。
浜松駅からほど近い密集地に、この建築はある。敷地間口5.6m、24坪弱の狭小地に建てられた、工務店の事務所だ。木造建築を生業としていることを木格子と植栽で、地域コミュニティの拠点でありたいことを外観デザインと色彩で、それぞれ表現している。この事務所はギャラリーを併設していて、2階建てだが6つの床レベルを持つスキップフロアの構成とした。こうした手法は小住宅の設計にも有効で、階段と吹抜を中央に配置し、高さをコントロールしながら7つのスペースを設けている。完全な個室をあえてつくらないことで、流動的なワンルームスペースが生まれた。
村松篤
表題写真/前面道路から見る。まちに明るさと潤いを与えるデザインが特徴的な外観

1階のギャラリー(手前)とミーティングスペース(奥)を見る。コミュニティ拠点としての活用を考えた
- 階段からワークスペース1を見る。スキップフロアの構成になっていて、右手前が階下のギャラリーと繋がる
- ギャラリーからエントランスとワークスペース1を見る。高さを抑えた吹抜が落ち着いた印象を与える
- ワークスペース2から階段を見る。踊り場から左に入るとリラックススペースがある(ギャラリー上部)
- 階段から左奥のワークスペース2を見る。階段も有効なスペースとして機能している

リラックスルームを見る。社員の休憩だけでなく、大事な接客スペースとしても利用している