住まいのグラフィティ
Vol.26 伏見の家
中山建築設計事務所
酒蔵が建ち並ぶ京都伏見の街道沿いに建っています。敷地の向かい側はマンションなど高い建物が建っており、また街道は交通量の多いバス通りであることからまともに道に向き合って開く生活は考えにくい。そこで、まちの喧騒から距離をとって生活を守りながら、室内にいても開放感が得られるようプランを検討しました。小さな敷地に必要最小限の室をスキップしたフロアで構成し、各室が完結しながら家族がゆるやかにつながっている感覚を得ることができました。また角地であることを活かし、道に正対するのではなく道を見通す方向に窓を配置することで室内にいても視覚的な広さを確保できました。人の生活を家の中に閉じ込めてしまうのではなく、まちとよい関係を築いていくために建築ができることは何かを考えながら設計をしました。
中山大介
表題写真/東側外観。外壁は焼杉板張り。

居間の開口部は奥行きをもたせ居場所となるようにした。

街道からみる。敷地に対してL字型に配置し、まちに対してオープンなスペースを設けた。
- 子どもの部屋から、下が水廻り、上が居間につながる階段。
- 階段室の小窓から居間の窓をみる。

街かどに植えたヤマボウシ。