住まいのグラフィティ
Vol.33 埜の家+埜の蔵
木の香 前川建築
「埜の家」は、富山県・立山町で約120年前に建てられた、北陸特有の古民家構造である「枠の内」を持つ古民家を、伝統の大工の技と新しいデザインを注ぎ込んでリノベーションした建物です。
四季を通じて快適に暮らせるように、木の繊維断熱材を使用して断熱性能を向上させ、木、石、紙、粘土、竹など自然素材を用いています。
「埜の蔵」は「埜の家」と同じ敷地内に建つ土蔵です。土蔵特有の調湿性で夏は涼しく、冬は設置した薪ストーブの熱を蓄熱して暖かく、厚い土壁に囲まれた静寂な空間で、快適にくつろいでいただきたいという思いでリノベーションしました。
前川 守

「枠の内」造りの「埜の家」の大広間。大雪に耐えるために井桁のように組み上げた太い梁は建てられた当時そのままのもの。

「埜の家」にある二間続きの和室からは、池や石灯篭、花木などを配した日本庭園の四季の移ろいを見ることが出来る。

「埜の蔵」外観。大きく軒を出した下屋が白壁と杉の板張りの調和を形作っている。

「埜の蔵」内観。薪ストーブのある土間スペース。2階のホールからはエントランスを眺められる。

「埜の蔵」2階に備えた隠れ家のような部屋。
※「埜の家」は、平成29年度うるおい環境とやま賞「土の賞」を受賞