住まいのグラフィティ
Vol.37 大らかな家「びお」
ミズタホーム
「程よい暮らし」をテーマに誕生して8年目を迎える息子夫婦の家です。2年間は展示場として、その後は、「暮らし方を見る」オープンハウスとして利用しています。
森から考える家づくり、エネルギー問題から廃棄までの持続可能な暮らしを心がけて計画にあたりました。
自然に寄り添い、素足の心地よさ・清々しい空気の中で、四季を感じて趣味を楽しむ、そんな居場所もつくりました。
何よりうれしいのは、ビオトープの水がきれいで、そこにやってくるネコや鳥が水を飲んでいる姿を見たときに、心が和みます。
手間のかかる面倒くさい家を造ったので、そこに息子たちが住みこなせるのか、どんな反応を見せるのかも、楽しみの一つでしたが。
結果、薪集めや庭のお手入れと、家に係わる時間がどんどん増えているようです。
でもその手間はまったく苦にならず、むしろ「お手入や作業」が楽しく、ストレスも少ないと言います。便利な世の中ですけど、自分たちの努力で生活を切り開いていく知恵を学んでいる気がします。
磨けば磨くほど、素材も自分も磨かれ、味が深まり、大らかな心になれることを期待して。
水田和弘