ちいきのたより

Vol.57  地域の新しい場所 千両宝辺
愛知県豊川市 イトコー

長かった梅雨が明け、やっと夏らしくなってきましたね。
と、思いきや、暦の上では秋の始まり。
寒蝉鳴ひぐらしなく」この時期は、厳しい暑さに見舞われながらも、季節の挨拶も残暑見舞いに切り替わるとき。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。

「空き家問題」を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
地域にある空き家で放火から火災が起こる、手入れがされていない庭に野生動物が住みつく…様々な問題があげられます。

最近では「空き家の利活用」という言葉も増えてきて、建物そのものよりも、建物を利用した「面白い場づくり」の取り組みが増えてきたようです。

そこで今回は、古く歴史ある建物を舞台に新しく自分たちが愉しめる場づくりに取り組む「千両宝辺せんりょうほうべ」をご紹介します。

今回は「ヒトコトモノvol.5」からのご紹介です。
(HP:https://itoko.co.jp/hitokotomono

ヒト・コト・モノ

築100年以上の民家千両宝辺
明治ごろに建てられた築100年以上の古民家。
「千両宝辺」と名付け、ヒト・コト・モノが集まる笑顔あふれる場所へと変えたのは、イトコー・サポートチームの松原さん。(そう、イトコーのスタッフです!)

この地域では、100年以上の古民家が残っていることは珍しいです。
なんでも、前の住まい手様がとても丁寧に家のメンテナンスをしていたそう。
プロの業者によるリフォームも何度か経て、100年の時をつないできました。
古時計と和室
もともとは農家さんが住まわれていたこちらの家。
今の住宅と比べるととっても大きいのは、昔は大家族で、盆正月のように1年のなかでご近所さんが家に来ることも多かったから。

築100年になる家としてはかなり良い状態でした。
とは言っても、100年も前の家づくりは今とは大きく異なります。
特に変わるのは「断熱性」。そこで、断熱補修・薪ストーブ設置のリフォームをしました。

100年の歴史を持ち、さらに今の家づくりの技術を持ってリフォームされた「千両宝辺」。
松原さんはここで、四季折々の暮らしを丁寧に愉しみながら、様々なイベントを企画・運営もしています。

本日ご紹介する写真、実はほとんど松原さんからいただいた写真です。
普段から写真を撮るのが好きで、InstagramやFacebookの更新にもつながっているそうです。
「住まい手ならでは」の視点で撮られた写真をお愉しみください(*^_^*)

松原さんの夏一番お気に入りの写真はこちらの「風鈴」。

金属の風鈴

どこかなつかしさを感じるシルエットですね。
ガラス細工の風鈴とはまた違った涼しさで、音も素敵なんだとか。

家が大きいだけでなく、敷地も広いのが特徴!


自邸にある畑では、家庭菜園を満喫中!
「採れたて落花生は最高に美味しかった!」と笑顔いっぱい。
美味しすぎて、この幸せをおすそ分けしたい!とFacebookで呼びかけもして、集まったみんなで美味しくいただいたそう。

トマト

今が旬の夏野菜!頑張って育てた野菜の味は格別です。

「お休みの日は何をすることが多いですか?」とお尋ねすると、
「家の手入れが多いなぁ。畑もそうだし、蔵を新しくオープンする準備かな」と。

こちらがその蔵の様子。

「ずっと使われていなかった蔵で新しく絵本図書館を開きたいんだ」と嬉しそうに話してくれました。
ここからまた新しい出会いがありそうな予感。
絵本図書館の構想やオープンについては、また別の機会に…。

さて、四季折々の風景を愉しみながら、いろんなジャンルの「こだわり」を集めたイベント開催も千両宝辺の見所です。

白いアジサイ満開のアジサイ。

イベントと一口に言っても、種類もテーマもいろいろ。
そこで今回は少しだけご紹介します!

定期開催している「はじまりのyoga」。

8畳間が4つ連なった和室を大解放!
朝、呼吸を整え、自分の体と向き合う時間は「心地よい時間」と大人気。

今年の3月から始まったのが
「あなたと心を調える、満月茶礼-望の茶稽古-」。
満月の下一輪挿し
テーマは「満月の夜に中国茶を淹れながら、自分自身と心を調える」こと。
淹れ手によってお茶の味や香りは変化するそう。
その変化を、自分自身の声を聞くことで愉しむ、大人な時間が流れます。


先生のゆるりとした、自然な作法はとっても美しい。

また、イタリアンシェフが教えてくれる「食べるハーバリウム講座」も人気!


人気の秘密は、もちろん美味しいハーバリウムもですが、講座中にシェフが教えてくれる「料理が美味しくなるちょっとしたコツ」が主婦に好評なんだとか。
本やテレビとは違うライブ感で「たくさん教えてもらえるからとっても愉しい!」と大人気。

他にも、1日限定で千両宝辺を解放したイベントや演奏会、シアターなど、ここでは書ききれないほど!


そんな松原さんはとにかく「たのしい」ことが大好き。
手作り、こだわり、おいしい、心と体を調える、植物に触れる、、、、。
一緒に学ぶ仲間がいるから、愉しさも倍になって感じられる!

100年前に建てた家を、今も手を入れながら心地よい住まいにし、暮らしをつないでいく。決して簡単なことではありません。

過去を大切にし、そして次世代へとその知識・知恵をつないでいくのは「地域の家守り」としての使命なのかもしれません。

千両宝辺には、住まいとしてだけでなく、「文化」を過去から未来へとつないでいく場所としての役割を感じています。
建物自体の価値も大事ですが、「その場所で起こっていること」に触れてみるのも新しい発見があるかもしれませんね。

これからも千両宝辺の取り組みから目が離せません!

イトコー村瀬紗也香
ちいきの記者
村瀬紗也香 むらせ・さやか
愛知県豊川市生まれ。生まれ育った豊川市で街づくりに関わりたいと思い、イトコーへ就職を決めた。趣味は映画鑑賞。映画館も行くが、自宅でゆっくり昔の映画を観るのも好き。休日はヒト・コト・モノ掲載のお店に行くのもたのしみ。時にはひとりで、時には友達とワイワイ、おいしいもの・たのしい場所を目指して遊びに行くのがたのしい!

 

愛知県豊川市諏訪西町2丁目248番地イトコー施工事例
(株)イトコーいとこー
愛知県豊川市諏訪西町2丁目248番地
TEL:0533-86-8887
URL:https://itoko.co.jp

1950年創業。家づくりを通して実現したいのは、「自然と共に生きる、健康的で愉しい暮らし」。自然素材をふんだんに使い、自然エネルギーを活用したプランをご提案。家族のつながりを大切にした空間づくりや、住まう人がより自分らしい暮らしを愉しむための工夫も。お引き渡し後も感謝祭を開催するや専門スタッフのアフターサポート体制など、住まい手様といとこ(イトコー)のような末永いお付き合いを大切にしています。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお