色、いろいろの七十二候

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乃東生・柊

柊木
こよみの色

二十四節気

とうじ

冬至
土器色かわらけいろ #C37854

江戸時代の色名。厄除けの願いを込め皿を投げる「かわらけ投げ」は伝統の遊び。

七十二候

なつかれくさしょうず

乃東生
中紫色なかむらさき #846582

深紫(こきむらさき)浅紫(あさむらさき)の中間の紫色のこと。半色(はしたいろ)の別名。平安時代は「位色」という規定があり、深紫深紅のような濃い色は高貴な身分にしか使用を許されない禁色(きんじき)だった。しかし浅紫などの薄い色や中間に位置する色は許色(ゆるしいろ)と呼ばれ使用が認められ、もともとはどんな色とも呼べない中途半端な色の意味でしたが、人気が集まったため色名として定着していった。

小さいころ、家の近くに石工さんがいました。
大きな玄翁(げんのう)で石を割り、小さなのでコンコン叩いて、一つのカタチになって行くのがおもしろく、日がな一日、見ていたことがあります。
現場は割った石が飛ぶので危険です。だからかなり遠巻きにして見ていました。
ある日、石工さんが近づいてきて、「坊や、何がおもしろうて見てんのや」と声を掛けられたことがあります。何だか照れてしまい、言葉にならず返答できませんでした。
その石工の家の作業場には、石がゴロゴロ置いてあって、ノコギリのようにギザギサした葉っぱの木が何本も植えてありました。恐る恐る、何という名前の木かと聞いてみたら、「ヒイラギや」と言いました。そして「この金槌の柄は、この木で出来てるんやで」と大きな玄翁を持ってきて見せてくれました。

北京の大きな王府井(ワンフーチン)の印鑑屋に、いろいろな印鑑の素材が置いてありました。めずらしい素材がありましたので聞いてみたら、「ドンチン」だと言い、言葉が通じないと見たら、紙に「冬青」と書きました。後で調べてみたら柊のことでした。柊の幹は堅く、しなやかで、衝撃に強いことから、金槌の柄に使われ、印材にも使われたのでした。

葉に(とげ)があるため、防犯目的で生け垣に利用することも多く、古くから邪鬼の侵入を防ぐ魔除けにも用いられてきました。鬼門除けのため、家の庭には表鬼門(北東)にヒイラギを、裏鬼門(南西)には南天の木を植えるが良いとされます。また、節分の夜にヒイラギの枝と大豆の枝に鰯の頭を門戸に飾ると、鬼払いしてくれます。
ヒイラギは、柊、疼木、柊木とも書きます。和名の由来は、葉の縁の棘に触るとヒリヒリ痛むことから付けられました。古語辞典では、(ひひら)く、あるいは(ひいら)ぐことから付けられた、と書かれています。

葉の間より花こぼれ
  虚子
粥すくふ匙の眩しく柊咲く
  長谷川かな女
柊の鼻のともしき深みどり
  松本たかし
文/小池一三
※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2011年12月22日の過去記事より再掲載)