ちいきのたより

Vol.137  職人目線2選 
静岡県富士市 マクス

本日から、七十二候は、立春の末候で【菜虫化蝶:なむしちょうとなる】です。
葉っぱにいた幼虫が成長して蝶になるという意味。

『蝶のように舞い、蜂のように刺す』。

そんな華麗な身のこなしは、鍛錬を積んだものにしか出来ない芸当ですが、「梁の上で作業をする大工」「テーマパークの建物の装飾をするアーティスト」そんな職人へのリスペクトをこめて、家をつくる工務店から工事現場の2つのお話をご紹介させていただきます。

まずは、「梁の上を蝶のように舞う大工」。
大工は幅12cmの梁の上を歩いて作業しておりますが、
「怖くないのかなぁ…」って思いませんか?

はぃ、そんな疑問にお答えしようと、大工の目線カメラで動画を撮ってみましたので、ご覧くださいませ。

まぁ、梁の上で撮影しているのが私なので、少々やかましいのはご勘弁くださいませ。

やっぱり、何度やっても、怖いものは怖いです(笑)。

次に、「蝶のような緻密さをアーティスト(から教えを受けたオジサン)」。
モルタルで作った天然石風の門柱
こんな感じで門柱を仕上げました。
まだ表札がついていませんが、ポストも付いて、裏側は洗い場になっています。

下の方のゴロゴロした石は本物ですが、門柱の石は、全て石ではありません。(って、石に見えますよねぇ?…汗)

本物の石だと、こんなに都合よく積む事は出来ませんから。

これは「モルタル造形」という手法で、造形用モルタル(厚塗りがしやすく、柔らかくいる時間が長い)という特殊なモルタルを厚塗りして、半乾きの時に彫刻し、石や木や鉄を自由にデザインして、最後にエイジング塗装という、わざと「いい感じ」に経年風化したような表情(味)を演出する技法です。

水族館や動物園、ディズニーランドやユニバーサルスタジオのハリーポッターの城を思い浮かべていただくと分かりやすいですね。

実際にディズニーランドやユニバーサルスタジオの工事現場で、モルタル造形の工事の際に職人たちに指導をしている、いわばモルタル造形マスターの先生に、何度も直接教えていただいた、私の実益を兼ねた趣味でもあります(笑)。

今までに作った、「モルタル造形ってこんな表情ができるんですよ」というものをご紹介してみましょう。

石積み風モルタル

今回の門柱とは、またちょっと違った石積み風。

化粧石風モルタル壁

同じ石でもこちらは、トラバーチンという化粧石を表現したもの。

レンガと漆喰風のモルタルアート壁

これはレンガの上に塗った漆喰が、風化して崩れてきちゃった、みたいなイメージで。

木とアイアン蝶番もモルタルで作成

こちらは木とアイアン。石だけでなく、木も、モルタル造形が出来ます。
錆びた感じの鉄飾りも、全てモルタル造形です。


調子に乗ると、

自分でもけっこう色々作ったなぁ…(笑)。

というわけで、こんなモルタル造形を、どうやって作っているか、メイキング動画です。よろしかったら、チャンネル登録・コメント・高評価、よろしくおねがいします!とか、ユーチューバーみたいなことを言ってみたりして…。

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鈴木克彦
ちいきの記者
鈴木克彦すずき・かつひこ宮大工だった曽祖父から地元富士市で4代目、木と向き合って日々奮闘中の一級建築士。大工の口伝で『わからないことは木が教えてくれる』と言うけれど、話しかけても声が聞こえないぞ…? そんな時は海に聞こう! というわけで、月に一度のボート釣りで命の洗濯。だからちいきのびおでは駿河湾のお魚ネタが多いです(笑)。

 

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静岡県富士市の工務店のマクスです。丈夫で長持ち、そしてあたたかくて気持ちのいい、自然素材の木の家をつくっています。住む人がずっと「安全に、健康に、楽しく」暮らせる家づくりを目指しています。これからも、地域に密着した家づくりを大切にし、地元の方々から信頼される存在であり続けたいと思っています。

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