処暑
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しょしょ
暑さが止む。とはいえ、まだまだ暑い日が続きます。雑節の二百十日は台風や強風が多い厄日とされ、富山市のおわら風の盆など風鎮めの祭が各地で催されます。稲作にとっても出穂期で風に気を配る季節なのでしょう。宮沢賢治の「風の又三郎」にも「二百十日で来たのだな」という科白があるように処暑は不穏な風の季節です。さて今年はどんな風が吹き荒れるでしょう。
- 二百十日塀きれぎれに蔦の骨
- 横光利一
天地始粛
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てんちはじめてさむし
天地の気がひきしまる。処暑を言い換えたような言葉です。まず地が、次に天が冷えて、次に水が澄むという順番でしょう。処暑で述べたように二百十日はこの時期にあたります。暑さが止み、天地が冷えることで寒暖の差が生まれ、強風が吹くというわけで二十四節気と七十二候と雑節が不思議と連関しています。九月一日は関東大震災の発生した日であり、防災の日として防災訓練が行われます。
- 秋の航一大紺円盤の中
- 中村草田男