我輩は歌丸である。

51

お正月は新しく脱走を覚えたよ

皆様、お正月はゆっくり過ごされたでしょうか?
久しぶりに歌丸と実家に帰り、我が家は賑やかなお正月になりました。

実家に集っていた外猫ちゃん達は段々いなくなりとうとう誰も来なくなってしまいました。お友達がいなくなった歌丸はちょっと寂しそうです。

猫と羽子板とかがみ餅

お正月飾りと歌丸


歌丸は実家暮らしに慣れてくるといつ脱走してやろうかと目を光らせるので、こちらは阻止する為、監視に力を入れ始めます。
お庭に出ちゃった歌丸

脱走した歌丸


お外には出してもらえない代わりにベランダに出る事は許されますが、下に降りないように見張られています。
そして、食欲旺盛ですぐに太ってしまう歌丸の食事量は少なめに管理されています。
ベランダで日なたぼっこ中の歌丸

ベランダで我慢する歌丸


お外にも出られない!お腹も空いている!フラストレーションがたまった歌丸は知恵をしぼり少しずつ技術を身につけていきました。

ある時期から引き戸を開けられる様になりました。重い引き戸も全体重をかけて開ける技を習得した模様です。

更にご飯をストックしてある場所からカリカリの袋を咥えて運ぶ技も習得しました。

悪さをしたらすぐにばれてしまう状況下で身に着けた技術を発揮するにはどうしたらいいのか!
簡単な事です。みんながいない隙に大いに発揮する事が出来るのです!

ある日家族で初詣に行き帰宅すると歌丸の足は土でドロドロ、空になったカリカリの袋が散乱していました。

誰からも与えられていない任務を成し遂げる為に使った技術は

① 脱走する為に全身を使って勝手口の重い戸をこじ開ける
② ご飯のストック部屋に行く為に2つの引き戸を開ける
③ カリカリの袋を咥えて運び袋を噛みちぎる

短期間に習得したとは思えない技術力で任務を遂行したのです!

僕をなめたらいけないのよ。

ぬいぐるみのフリ?な歌丸

ぬいぐるみに同化する歌丸


どや顔をしながら私を見つめてきた歌丸。私はハンカチを噛みながら悔しがる事しかできませんでした。

今年もたくさんネタを提供してくれそうです。それはまた別のお話。

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。