びおの織り子たち

びお編集部の「ゆる〜く住まい談義 」(3)

住まいマガジン びおの企画会議の中で、編集部の3人(編集の林・デザイナーの阿部・編集長の尾内)の共通点はなんだろうと考えたところ、「まだ持ち家がない」3人であるということがわかりました。それぞれに結婚し家庭を持ちながら、マンション住まい。そんな持ち家がないメンバーだからこそ伝えられることは何か。私たちの等身大の視点を大事にした企画作りがしたい。そこで、まずはどんな住まい感・住宅感を持っているのか話をしてみようというゆるい会です。

第1回はこちらから。
第2回はこちらから。

今回は、林さんの理想を聞くことで家ってなんだろう? と考えました。

|移動して暮らしたいという願望

尾内 林さんは理想の家みたいなものはありますか?

 ないですね。でも、しいて言うなら車輪のついている家かな。

阿部 キャンピングカー?

 そう、理想はキャンピングカーです。

阿部 やっぱり移動したい人なんですね。

 アメリカのトレーラーハウスで移動しながら暮らしている人が理想ですね。

阿部 確かにあれでもいいけど、水回りはね。。。

 水回りと電気とガスはね。問題ですね。

阿部 でも意外だった! 林さんは一軒家を建ててマイホームパパとかに憧れているのかなって。意外とアウトドアなんですね。

尾内 いやいや、アウトドアではない!

 基本は家の中だから。家が動いているだけで家から出ないから。

尾内 一般的に言うアウトドアは山に登ったりキャンプしたりですが、林さんはただ街を歩くシティボーイですね。

阿部 車で移動して街を歩き続けるという感じですね。

 なので、浜松市に引っ越す前に暮らしたかったのは大阪湾沿いでした。

尾内 それはなぜ?

 ゴミゴミしているから。もとから住んでいた世田谷区がゴミゴミしたところなんですけれど。

阿部 それが落ち着く?

 そうそう。だから国の縛りがなければ、さっきのトレーラーハウスとは違うんですけれど、本当の理想の住まいを言うと、ゲットーみたいなところ。例えば、九龍城みたいな。上下左右に人がいて、階段や廊下が入り組んでいる人口密集街だね。

阿部 東京生まれだから。

 だからトレーラーハウスか九龍城のどっちか。あるときはゴミゴミしたところに住んでいて仕事が終わるとトレーラハウスで出かけてという生活ですかね、理想は。職業不明ですけれど。

阿部 おもしろそう。ついていく嫁が大変だ。笑

尾内 ひとりで行かせます。笑

 ひどい!

阿部 結構ショッピングセンターの駐車場とかに、あきらかに住んでいるなって思うキャンピングカーが停まっていたりしますよ。ずっと一週間くらい見かけますから。ああいう24時間空いている駐車場を転々としているんでしょうね。定年退職した人とかなんですかね。

 年金生活者とかね。でも今、働く能力がありながら仕事をせず住居がなくうろついていると軽犯罪法で浮浪罪になっちゃうんですけれど。だからパチスロで放浪しながら暮らすのはありなんですかね。

阿部 こういう暮らしがしたいんだ、と話すことから家のかたちって出来てくるんですね。

尾内 林さんと一回話したことがあるのは、ワンルームのだだっ広い部屋に暮らしたいねと。間取りが決まっているのが嫌で。自分で椅子を動かして、今日はここでご飯を食べたいから食べる、と決められたらいいなと思って。

阿部 林さんと似てますね。

尾内 それは言われましたね。「なんで俺と同じこと言ってんすか」って。林さんはなぜそんなこと考えたんですか?

 そのときによって気分が変わるじゃないですか。5年間同じ気分の人とかいないだろうし、一年とか一か月とか同じ気分の人もなんていないじゃないですか。間取りとか動かせないものとして決めちゃうとそのときの気分に合わないというか、服を着替えるように、家も着替えたいというのが私の思いですね。

尾内 服を着替えるようにとか言ってますけれど、林さんは3日同じ服を着ていることがありますからね。

阿部 そういう考え方もありですね。

ほんの3,40分話しただけで、三者三様の住まいに対する考え方が見えてきました。まだ持ち家のない人たちが、なぜまだ家を買わないのか、それには住まいに対する理想やこだわりがどこかで働いているからなのだと思います。このようにゆるくでもリラックスしながら住まいのことを語り合える時間はとても貴重です。読者の皆さんも、身近な人とあらためて住まいについて話をしてみてはいかがでしょうか。意外な考えに触れることができ、気づくことも多いでしょう。

今回は談話形式でびお通信で掲載しましたが、一部でポッドキャストなどの音声形式で公開してほしい!という声も聞こえてきたので、
今後編集部で検討してみたいと思います◎
次回以降乞うご期待くだい!