森里海の色
四季の鳥「ノビタキ」
平地でも見られる高原の鳥
10月は鳥たちにとって渡りの最盛期です。春から夏を日本で過ごし南に渡っていく夏鳥、それとは逆に秋に日本に訪れて春先まで滞在する冬鳥、山から平地に降りてくる鳥もいます。最初に紹介する鳥はノビタキです。
私が住む神奈川県三浦半島の丘陵部にはまだ草地や林がかなり残されています。夜来の雨が上がり、早朝から高い空に秋の雲が流れる気持ちの良い朝、セイタカアワダチソウの繁茂する草地で佇んでいると、近くのススキの枝に1羽の小鳥が止まりました。冬羽に換羽した今年生まれのノビタキでした。ノビタキはユーラシア大陸で繁殖し、冬は南方に渡っていきます。日本では夏鳥として本州中部以北の山地の草原や牧草地で繁殖しますが、秋の渡りの時期には平地でも見ることができます。遠出した高原ではいつも見慣れているノビタキですが、わが町で見るノビタキは格別です。