はじめてのこよみ暮らし
七十二候をはじめて過ごす「家族」の記録
昼休みの旬探し
びお編集部の昼休み、しほと太郎は事務所前のバス通りを北へ歩きます。
しほ この通り沿いに鮮魚とか野菜を卸売りしている魚問屋があったんだよ。魚の旬を探しに行ってみよう!
太郎 いいですけど、魚問屋に一般人が入れるんですか?
しほ 大丈夫そうだったよ。卸直営店みたいなお店もあったし、車で老夫婦が買いに来ていたし。
太郎 そうですか。では行きましょう。
しほ いい天気だね。
太郎 秋晴れ、ですね。
数分歩いてしほと太郎は魚問屋につきました。
しほ 着いた!
太郎 本当に魚問屋ですね。
しほ 見て!季節のディスプレイもあるよ。
太郎 この空間は季節のディスプレイをするために作ったんでしょうか。
しほ 抽象画の掛け軸だね。
太郎 テーマは「初冬」なんですかね。
しほと太郎は店内を見て回ります。手前には青果が売られています。
しほ 松茸だ!
太郎 中国産みたいですね。
しほ 中国産でもいいから、松茸、食べてみたいな。
太郎 編集長は松茸を食べたことないんですか?
しほ 旅館で食べたくらいかな。
太郎 それ、食べてますよ。
店の奥まで行きます。
太郎 ここではおもに魚が売られているようですね。
しほ うん。でも買ってお昼にそのまま食べられるものはないね。
太郎 おいしく食べるには調理器具が必要でしょうね。
店員さんが電話で誰かと大声で話しています。
太郎 店員さんは「あんこうが入っている!」って言ってますね。あんこうがおいしいんでしょうかね。
しほ みたいだね。
太郎が魚売り場に塩鮭のパックを見つけます。
太郎 塩鮭が30本くらい入って500円だって。安いね。
しほ 本当だ。いいね!
太郎 焼いて食べても、食べきれませんね。
しほ あ、すみません!
しほは店員さんに質問をします。
しほ 塩鮭、鍋に入れてもおいしいですか?
店員さん すごい塩辛くなるけどね。
太郎 湯通しするといいかもしれませんね。
店員さん だね。
太郎 それにしてもどうしてこんなに安いんですか?
店員さん 切り身をとったあとのアラだからね。
しほ なるほどー。太郎、これいいかもね。
太郎 でもこんなに買っても食べきれませんよ。来週、私たちは東京へ出張ですし。
しほ ひとつずつ冷凍しておく感じかな。
太郎 また賞味期限切れの食材を増やすのですか!
立冬の魚をひらけば銀河系 林甲太郎