森里海の色
柿木村の一輪挿し「ムラサキシキブ」
辺境は日増しに秋が深まっている。
朝の空気がそのことを教えてくれる。
裏庭に植わっている株立ちヤマボウシの樹の下に紫式部が実を付けた。
高貴な色合いの紫の小さな玉が沢山実を結んで頭を垂れている。
周りに花の少ないこの時期にパッと艶やかで一瞬に目を惹く。
源氏物語の作者の名の付いた花はどこか人を惑わすような
気がするのは少し思いれが強過ぎだろうか。
雅な色姿を眺めているとふとそんなことを考えていた。