森里海の色
柿木村の一輪挿し
「ススキ・エノコロクサ」

里山は田んぼの刈入れはほとんど終わり、
稲株や撒かれた藁で景色は地味な色に染まりつつある。
野山もススキやエノコロクサが風に揺れて、なにかしらそぞろ寂しい風景になってきた。
朝の散歩ももうTシャツでは寒いので、長袖シャツを羽織って帽子も欲しくなってきた。
何年か前まで、朝散歩はパグ犬との散歩が日課だった。
ある日、スズメ蜂の大群に襲われて死んだ。
動物は好きだけど、早く別れるのが辛くて飼うことを止めた。
子供の時分、家では猫を飼っていて、猫じゃらしで遊んでいたことを思い出した。

著者について

田村浩一

田村浩一たむら・ひろかず
建築
1954年生まれ。株式会社リンケン代表取締役。中国山脈の辺境の地で、美しい森や川や棚田に囲まれながら木と建築の仕事を展開。山野辺の四季の移ろいを感じながら、酒を愛し、野の花を愛で、暮らしに寄り添う棲家とは何かを考えながら生活している。一輪挿しはライフワークのひとつ。