はじめてのこよみ暮らし
七十二候をはじめて過ごす「家族」の記録
雛祭のちらし寿司
二十四節気が啓蟄、七十二候が蟄虫啓戸と爬虫類や昆虫系なので太郎は磐田市の竜洋昆虫自然観察公園へ行こうとしほに持ちかけます。すると、しほは……。
しほ ぎゃー!
太郎 どうしました?
しほ 昆虫館でゴキブリ展やっているって書いてあるよ!
太郎 ゴキブリですか。一番身近な虫ですね。「蟄虫啓戸」の戸を開くイメージにピッタリじゃないですか?
しほ 嫌だ。行きたくない。
太郎 そんなぁ……。
というわけで、しほと太郎は3月3日の雛祭に浜松市のお寿司屋さんへ行き、ちらし寿司を食べることになりました。
しほ 箸置きのかわりに枝を使っているね。
太郎 この花は梅でしょうかね、ちょっと桃色が濃いような気もしますね。
しほ すみません、これって梅ですか?
女将 桃ですよー。ほら桃の節句だから
しほ&太郎 おおお!
ちらし寿司にはフグが使われています。
女将 フグ漁が2月28日で終わりでね、最後のフグを持ってきてもらったんだ。フグは時間が経たないと食べられないから。だからフグの皮を散らしてある。
しほ へー。すごいですね。
太郎 ラッキーでしたね。というか魚が大きくて食べ応えがありますね。
食べ終わったころ、桜餅がしほの前にだけ置かれました。
太郎 ぬぱっ!
しほ こ、これは!
女将 雛祭だから女の子だけのサービスね!
しほ ありがとうございます!
太郎はあることに気づきます。
太郎 これは関東であまり見ないタイプの桜餅ですね。
しほ 滝口建築さんがinstagramで書いていた、道明寺タイプだだよ、きっと。
太郎 東京では長命寺タイプしか食べなかったのですが、浜松市は道明寺タイプなんですね。
あなたの街の桜餅はどっち?
マスカラの重きまばたき桃の花 林甲太郎