はじめてのこよみ暮らし

七十二候をはじめて過ごす「家族」の記録

三嶋大社、色打掛、和婚

どのように暮らしたいか談義

しほと太郎はびおの編集会議で、どんな暮らしを目指しているか、自分たちの理想を考えてみることにしました。

しほ 太郎は浜松に越して何ヶ月?
太郎 3ヶ月とちょっとでしょうか。
しほ これから移住先である浜松で新しい暮らしを築いていく今、どのように生きていきたいと思っているの?
太郎 どのように生きる? 非常に漠然とした質問ですね。
しほ そうかも。たとえば、どんなふうにして暮らしたいとかは、ある?
太郎 しいて言うならば私は東京出身なので、宵越しの銭は持たない暮らしぶりでいたいですね。
しほ 月給稼業でそんなことできないでしょ。
太郎 ……ですね。

太郎の話を聞いても埒があかないと悟ったしほ、自ら暮らし方を提案します。

しほ 私は、太郎とこのコーナをやりながら、季節の移り変わりを実感できる生活は気に入っているよ。そのうえで、これから少しずつ地域の人や出来事と関係が深まったり広がったりしていけたらいいなと思ってる。それが私の中での「ていねいな暮らし」かな。
太郎 たしかに地域とのつながりで言えば町のお祭りとかに参加したいし、季節の移り変わりは草木を育てるなどで感じていたいですが、ていねいさはどうでもいいような気がします。
しほ ふーん。「ていねい」って言い方が伝わりにくかったかな。じゃあ、おいしいカフェを探したり古本屋や中古家具屋や洋服屋を訪ねたり、身の回りにある環境を一つひとつ確かめながら暮らすことと言ったら、どう? そういった商店主さんたちと仲良くなって、町のことを教わるなかでつながりを築いていくの。
太郎 そういうのもいいかもしれませんね。わかりやすく言い換えると、季節の移り変わりを感じ、地域や人との関係性を育みながら暮らす、ですかね。
しほ そうだね。私自身もそういう家庭を持ちたいし、そんな思いを共有できる読者の方に、この住まいマガジンびおを通じて出会っていきたいな。太郎、頑張ろうね!
太郎 ほい。今日はいつになくおしゃべりですね。

写真提供=大橋香奈

熊穴に入る山襞のざわめきに 林甲太郎