はじめてのこよみ暮らし

七十二候をはじめて過ごす「家族」の記録

花札

花札で遊ぶ

お正月休みのしほと太郎はツタヤで映画を借りて観ました。「ちはやぶる 上の句」です。

しほ 意外と面白かったね。
太郎 そうですね。百人一首の歌意をちゃんと脚本に反映している点は文化部映画でしたが、素振りとか声に鳴らない音とか運命戦とかチームとかスポ魂映画の要素も満載でしたね。
しほ なんだか、私も百人一首をやりたくなっちゃった。
太郎 あいにく百人一首はないんですが、花札ならあります。
しほ 花札、母が得意だったな。

花札20点札

太郎はルールの書かれた紙を観ながら札を並べます。

太郎 こいこいはルールが複雑なので馬鹿っ花こと花合をしましょう。
しほ よく年始に母の実家に行っては花札してたっけ。でも、もうルールも忘れちゃったよ。太郎、どうやるの?
太郎 私もよく知らないのですが、同じ月の札を合わせてとっていきます。最終的に札の点数と出来役の点数を足して順位を競います。それではやりますか。
しほ ほい。

花札赤短

花合を5試合しました。しほが連敗しています。

しほ また太郎が勝っちゃった。もう1回!
太郎 またですか? 編集長は弱くてもう飽きちゃいましたよ。

太郎ばかり勝つので、しほは躍起になっています。

しほ やった、ようやく勝った。
太郎 よかったです。ところで編集長、タロット持ってませんでしたか?
しほ あ、これ? 私の親友が占いに詳しくて、これはCBDtarotというものを、手書きでトレースしたオリジナルのマルセイユ版タロットなの。味わいがあって、好きなんだ。
太郎 味わい深いですね。それでは私が持っているこれはどうですか?
しほ なにそれ?

ラテンタイプのトランプとタロットの小アルカナ

上はラテン式トランプ、下はマルセイユ版タロットの小アルカナ

太郎 スペインのトランプです。じつは、タロットの小アルカナは、ラテン式トランプと呼ばれるイタリアやスペインやポルトガルのトランプの原型とも言われています。そして花札は安土桃山時代に宣教師が持ってきたラテン式トランプが起源と言われているんです。だから花札の起源はタロットなんですよね。

ほら、僕のもっているスペインのトランプは、編集長のタロットと似ていませんか。スペードやハートのデフォルメされた英仏式のトランプと違ってラテン式トランプはタロットと同じようにコイン・剣・棍棒・杯といった具象の模様をしています。
しほ 本当だ。じゃあ、太郎、占ってあげる!

しほにタロットで占ってもらった太郎。2018年は吉か凶か……。

花札の裏に命の暗さかな 林甲太郎